野生の動物はほとんど一日中獲物を探しています。運よく獲物に巡り合えば狩りをするわけですが、必ずしも捕獲できるとは限りません。相手にもよりますが、多くは失敗するといってもいいぐらいです。
相手だって必死で逃げるのですから当然のことです。季節が冬ともなると獲物も少なく、一面の白銀の世界では見つけることはますます難しくなります。
そのような中でもキツネには狩りの特別な技があるのをご存知でしょうか?
雪に突っ込む狩り
狐は雪に覆われた地面にむかって大きくジャンプして頭から突っ込むという方法で狩りをすることがあります。
約1m飛び上がりますので、ほとんど後足付近までズボッと雪に埋まります。
その姿は何ともおかしいのですが、狐は雪の下のネズミを捕まえようと必死です。しばらくすると、後ずさりして顔をだしますが、うまくいけば獲物を銜えています。勿論、ダイブせずに顔を突っ込むだけのこともあります。
どうして狐にこのような狩りができるのか?
狐の聴覚
優れた聴覚によって雪の下で動くネズミのわずかな音を察知してピンポイントでダイブしているという説です。
狐の聴覚は人間や犬よりも優れていて、無風で静かな林であれば、10メートル以上離れた落ち葉の落ちる音にも反応することが観察されています。
磁気感覚
これはチェコで行われた研究結果から導き出しています。
それは、キツネが磁北から20度右回りの北東にダイブする傾向があり、その場合に獲物をとる確率が高いのです。
また、真逆の南西でも高いという結果です。このことから磁気感覚を利用して方角や距離を測っているのという説です。
もっとも、この磁気感覚がどういうものかはまだ解明されておらず、仮説の域をでていませんが面白い説です。この能力を使うのは視覚が使えない場合に限られます。
なお、この感覚は犬などにもあることが発見されていますが、狩りに使っているのは狐だけです。
まとめ
一見するとユーモラスに見える狐の狩りですが、まだまだ分からないこともあるようです。それはそれとしてダイブの様子は見ていて飽きません。