ロシア人がシベリアへ進出したのは黒テンやビーバーそしてキツネの毛皮をとるためでした。
そのシベリアのノボシビルスクにはキツネを家畜化しようとしている研究所があります。
すでに40年以上研究と実験を重ねているそうで、キツネが犬化した報告がなされています。
ソビエトのキツネ
キツネが家畜にならない理由はまず臆病な性格があります。これによってなかなか人間に慣れないのです。厳しい生存競争のなかで生きていくには必要なで要素で、例えるならイノシシとブタの違いでしょうか。
イノシシにはブタとはたけ違いの用心深い行動が要求されます。一方で、人間と対等な関係で接するため噛みつくこともよくあります。また、現実的な問題としては臭いや感染症媒介のリスクもあります。
このようなキツネを何とか扱いやすくしようと交配を繰り返した結果として犬化したそうです。体が小さくなったり、よく遊ぶようになったり、尻尾を振るようになるとまるで犬のようになりました。野生では決して見られないことです。
また、毛や目の色なども変わったキツネがあらわれました。原因としては、アドレナリンの低下があったとのことです。通常家畜化するためには数千年の時間がかかるといわれていますから、ひょっとしたらこれは進化をものすごく早めていることになるのかもしれません。
食べる
キツネを食べるという風習は日本ではほとんど聞きませんが、調べてみると食べたという記事もちらほらはありました。中国では健康食としての需要があるようです。
もっとも、草食動物ではないので臭いが強烈なようです。したがって、牛乳で臭みをとったり、カレーにしたりなどの工夫が必要なようです。
また、エキノコッコスという寄生虫が体内にいるのでこの点も注意が必要です。ちなみに、エキノコックスは人体の肝臓で幼虫から成虫になりますが潜伏期間が長くて10年以上無症状のままということもあるようです。
症状がでるようになると病気はかなり悪化しています。腹部超音波検査やCT検査で病巣がわかるそうですが、あまりお勧め食材ではありません。
まとめ
かわいいキツネをみているとペットにしたいなと思われるかもしれませんが、実際問題として夜行性であることが最大のネックになります。やはり、たまに自然の中で見かけて楽しむのがいいようです。