野生動物と触れ合うためには、そこに潜む危険についても知る必要があります。
危険に思うのは、まず「噛まれる」を思い浮かべますが「感染」というのもなかなか侮れないのをご存知でしょうか?
野生
エキノコックス症は寄生虫の1種であるエキノコックスによって人体に発症しますが、これにキツネが関与しています。
野生のキツネと野ネズミは食べると食べられるという関係にあります。エキノコックスに感染した野ネズミをキツネが食べると、腸内で寄生して成虫になり卵を産みます。
この虫卵が糞便とともに排泄され、それが再び野ネズミの体内に入り幼虫になります。この繰り返しの中でエキノコックスは生きています。
エキノコックスの虫卵を水や食物をとるときに摂取すると人間においてもエキノコックスが寄生します。勿論大人であれば意図して口に入れようとはしないので、知らないうちに摂取してしまうわけです。
そして、はっきりと症状があらわれるまでに10年を要してほとんどは肝臓に寄生して病巣を形成します。しかし、それまではほとんど症状らしい症状があらわれません。ここがこの感染症の恐ろしいところかもしれません。
徐々にではあるが確実に進行していき、発症すると原則的に外科手術になりますが、発症時点ではすべてとることが難しいともいわれています。
また、病巣の位置によっては手術できないこともあり、その場合は化学療法になりますが長期にわたり薬を服用する必要がでてきます。もし、心配なことがあれば血液検査で抗体を調べることができます。
危険
野生のキツネにはエキノコックスの虫卵が体の表面のフサフサした毛についていることがあります。少なくとも、野生の動物を触ったら必ず手洗いするよう言われるのはこういう危険が潜んでいるからです。
他にも井戸水や山菜などにもいるかもしれません。肉眼では見えませんからこれらも煮沸したりよく洗うなどの対策は必要不可欠です。
まとめ
北海道を旅しているとキタキツネに出会うことがあります。中には人に近づいてきたりすることもあります。
かわいくてつい触りたいと思う気持ちはよくわかりますが、危険が潜んでいるかもしれないのでご用心ください。